拾い上げ

村井康彦さんの『千利休』(NHKブックス、1977年)です。
以前、大河ドラマでの、江が秀勝と炭屋に化けて軟禁中の利休を訪ねるという場面についてふれましたが、今回、村井さんによると、本当に炭屋に化け手紙をまげの中にいれて、利休に書状を託した人がいたそうなのです。蒲生氏郷らしいとのことですが、利休七哲と呼ばれた、利休と親しい武将7人の中だというと、ありそうなことなのかもしれません。氏郷は石田三成に疎まれていたので、亡くなったときに石田三成直江兼続とが結託しての毒殺説も流れたらしいのですが、幸田露伴は否定しています。それがもっともなことでしょう。
こうしたものまで取り上げて、脚本にするというのも、なかなか大変なことでしょう。アドバイスする人の苦労がしのばれます。