突出

竹内洋さんの『学歴貴族の栄光と挫折』(講談社学術文庫、親本は1997年)です。
日本の旧制高校を例にとって、エリート層の流れをさぐったもので、いろいろなエピソードもあって、おもしろいものです。
そこで、日本の4年制大学への進学率が15パーセントを超えたのが、1960年代後半だとして、そこで、大学紛争につながるいろいろな要因が顕在化したのだというのです。
たしかに、6人に1人というレベルが社会を変えてゆくというのはわかりますが、それを暴力学生中心に描くのも、いろいろと意見はあるでしょう。ただ、いろいろな分野で、そのあたりが世代の分岐点となるのも、わからないではありません。プロレタリア文学や、民主主義文学、世界の革命文学の出版と普及に関しても、その時期がどうも、いろいろとありそうですから。

あと、どうでもいいことですが、松江・松山・松本の3高校が〈アホ〉と呼ばれていたとか。篠田一士宮本顕治北杜夫がそれぞれの出身ですが、当時はどうだったのでしょう。