つまずき

岩波新書の〈中国近現代史〉のシリーズ、既刊4冊を読んでしまいました。読み始めると、やっぱり続きが気になるという感じで、4冊目、1971年の国連の代表権を中華人民共和国が獲得したところまでです。
1971年といえば、文化大革命なるものの最中の時期ですが、すでに次の時代の胎動ははじまっていたという視点が、こうした区分を採用させたのでしょう。〈勝ったものの歴史〉という、中国歴代正史的観点から見れば、日本に勝利してから人民共和国の成立までは、国民党政府の一路腐敗(かつての小説『紅岩』もその流れのひとつでしょうし)とか、土地改革の進展(趙樹理の諸作品が想起されます)とかから語られますが、1947年憲法など、別の側面もあったことが知られます。
朝鮮戦争が起きなければ、中国も独自の路線で進むことができたかもしれない、というのはあんまりな想像ではありますけれど、そういうことも、20世紀後半の東アジアの地図を変えたかもしれませんね。