受けとめる

塚原理恵さんの『孤独のかたち』(光陽出版社、民主文学館)です。
塚原さんは、長く看護師をつとめられて、その経験の中から小説を書き始めました。この作品集にも、看護師体験に基づく作品が多く収められています。
人の命とかかわる場面にありながら、医師の指示のもとに動くことが任務である看護師とは、けっこうつらい立場にあるのでしょう。かといって、船頭多くして、ということぼもあるように、いざというときには医師が方針を決めて、それにしたがって動かないと、患者の安全もはかれないこともあるのでしょう。そうした看護の現場がよく描かれています。

この歳になるまで、入院ということをしたことがないので、どの程度実態を実感できるのかといわれると何なのですが。そういうことを言い出したら、作品など読めなくなりますし。