かんどころ

片木篤さんの『オリンピック・シティ東京』(河出ブックス、2010年)です。
1940年の実際は返上せざるを得なかった東京オリンピックと、1964年の東京オリンピックのときの、実施計画を軸に、都市としての東京の姿をさぐったものです。
その点では興味深いものだったのですが、実際、ひどく読みにくい。なぜかと思うと、地図が見づらいからです。
都市計画を考えるのに、地図は欠かせません。現状、将来像、実際の結果、それを一目で見渡すことができるからです。けれども、判型の制約からか、地図が小さく、印刷も不鮮明です。そのために、計画がどうなされ、それが現在どうなっているのかに関してのイメージをつまみきれません。
そういう意味では、著者にとっても不本意なできあがりだったのではないでしょうか。