震う

芥川の一件ですが、関東地震のあとの彼の文章を眺めてみると、『天譴』と言い出したのは渋沢栄一だったようです。

幸田露伴にも、「震は亨る」という文章があって、やはり心がけの問題を語っていました(全集第30巻)。

岩波版鴎外全集(1971年からの版)第1巻には、ドイツの作家クライストの「地震」という作品があって、チリの地震のあと、雇い主の娘と恋仲になって、子をなした少年とその娘を、彼らがみだらなことをしたので地震が起きたのだという、カトリックの宗教家の扇動で、暴徒と化した群集が、彼らを殺してしまうという、やりきれない話がありました。

何だか、いやですね。