お説教

山下文男さんの『昭和の欠食児童』(本の泉社)です。
1930年代の東北地方の凶作と、それに対する報道のありかたについて検証しています。山形県の〈娘身売り〉写真に関しての誤解を正したり、東北本線の列車食堂車から〈残飯〉をもらう子どもたちの記事について注文をつけたりと、〈常識〉的な理解に対して、きちんと意見をしています。
ただ、後半のほうで、食糧自給率の低さへの問題提起のところで、世界の穀物資本への批判よりも、日本人の食に対する現在の態度への批判が先走って、ちょっとお説教気味になっているのは惜しまれます。