偲ぶ

『群像』10月号の書評の欄に、佐伯一麦さんが、三浦哲郎『おふくろの夜回り』(文藝春秋)について書いています。この文章を佐伯さんが書いていたときには、三浦さんはまだご健在だったのでしょうが、はからずも、追悼文のようなかっこうになってしまいました。というより、最初、本当の〈追悼〉かと思って読んでいたほどです。
お二方とも東北の出身で、いわゆる〈私小説〉的な作品を書いていることなど、共通点があることが、そのように感ぜさせたのでしょう。あらためて、三浦さんの死について、考えてしまいます。

今日は、水上勉さんの七回忌にあたるらしいですね。

あと、訃報というと、能楽史の表章さんも亡くなられたとか。『日本思想大系』の世阿弥と禅竹の巻を編集されました。加藤周一さんが解説を書いていたものです。