箸休め

現代教養文庫『江戸の戯作絵本』の第2巻(1981年)です。
江戸時代の戯作、黄表紙の集成です。全巻そろえたのはけっこう前なのですが、こうしたものは集中して読むものではないような感じがして、しばらく放っておいたのですが、しばらくぶりに読んでみたというところです。
この巻には、「江戸生艶気樺焼」(自分も粋人として有名になりたいといろいろ試みるが失敗する若旦那の話)が収録されていて、文庫本のカバーにもその絵が載っています。のちに井上ひさしさんが、『戯作者銘々伝』(中央公論社、1979年)のカバーイラストに、山藤章二さんの絵で井上さんの似顔絵にして似せ絵をつくったものです。
黄表紙の風刺はもちろん、軽いものではあるのですが、こうしたところに精力をそそぐ日本人というもののありようも、今につながるものはあるでしょう。