身勝手

1961年3月におこなわれた、「アジア・アフリカ作家会議東京大会」の記録が、アジア・アフリカ作家会議日本協議会によってまとめられています。1961年9月発行、非売品だそうです。
参加した人たちとか、アジア・アフリカ作家会議との日本の関係に関しては、けっこう複雑なものがあって、以前、堀田善衛神奈川近代文学館での展覧会のときに、いろいろと資料もさがしたのですが、その関連として手に入れられたのです。
内容はまたと思いますが、1961年という時期もあって、植民地支配のほころびがあちらこちらでみえています。
そのなかで、カメルーンの情勢がけっこうくわしく代表団からかたられているのですが、カメルーンは、かつてドイツ領だったのが、第一次大戦のあとで、国際連盟委任統治としてフランスに任され、さらに戦後は国連の信託統治地域として扱われていたのだそうです。
ナミビアもそうですし、タンザニアも独立にはもめたそうですが、こうしてみると、マリアナ諸島などの運命も含めて、「委任統治」なるものの、犯罪性がけっこうみえてくるようにも思えます。結局は大国の縄張り争いだったのですね。