軽口

井上ひさしさんの『ふふふ』(講談社文庫、親本は2005年)です。
もともと『小説現代』に載せていたコラムをまとめたものなので、そんなに難しい話はありません。
そのなかで、アメリカでは、新しいミュージカルをやるときなど、事前に出資者をつのるのだそうです。公演が当たれば、少しもうけの分け前にあずかれるというしくみなのだそうです。
この文章が書かれたときには、日本でもそういう演劇などの出資者を募ろうという証券会社のうごきがあったようで、こまつ座もそれに乗ろうと考えたのだそうです。ところが、その条件が、『募集の段階で脚本の完成稿ができていること』なので、断念したというのです。
井上さんの作品は、なかなかできない(今回のものもそうだったようですね)ので有名ですが、それが、ここでは話のオチになっているのですね。