つながり

なかむらみのるさんの『信念と不屈の画家 市村三男三』(民主文学館、光陽出版社発売)です。
市村三男三(1904−1990)は新潟県出身の画家で、戦前のプロレタリア美術運動ではたらき、戦後も日本美術会の中心的な担い手となったひとです。なかむらさんは、たまたま「赤旗まつり」で上京したときに、知人からこの画家のことを知らされ、同じ新潟県という縁から、この画家の画を、地元の自治体に管理してもらうようになるといういきさつを書いた作品です。
市村の作品がいわゆる第一線を退いてからも長く愛され、地元でも敬愛する人がいて、それが、市村の作品を引き取ったり、展覧会を行政主導で開催したり(合併で新潟市に吸収されてしまう直前のことだそうです)するにいたったきっかけを読むと、そうしたことを実現する、人のつながりに思いをよせます。

ひるがえって、そうしたつながりをつくる仕事をしているのかという、自分にふりかかってくる問題にもなりますね。