世襲

『世界の君主制』(大月書店、1990年)です。
現存する君主制のシステムの概説と、20世紀に廃絶した君主制の国の概況とが、コンパクトに紹介されています。ドイツ・ロシア・中国・イタリア・エチオピアと、けっこうあるものですね。
世襲で、ある地位を維持するというのも、考えてみれば、けっこうあるものです。たしか、福沢諭吉が咸臨丸に乗ってアメリカに行ったとき、『ワシントンの子孫は』と聞いたら、知らぬといわれて驚いたとかききますが、日本では、そうでもないですよね。
ただ、伝統の継承のためには、歌舞伎役者の家系があったり、相撲部屋の婿取りがあったりと、いちがいに否定しきれないものも感じています。冷泉家の典籍も、世襲でなければ残ったかどうか。もちろん、公的な機関が充実すれば、そういう心配もいらないのかもしれません。