強い力

いや、原子核の話ではありません。

この前、東京駒場日本近代文学館の展示を見たのですが、その中で、林芙美子の「めし」の生原稿と、それが単行本になったときの川端康成の解説の原稿が展示されていました。
この作品は、『朝日新聞』に載ったものなのですが、原稿には、割り付けの指示などの、太い朱筆がはいっています。それを見ていたら、林芙美子のものも、川端康成のものも、旧かなづかいで書かれているのですが、現代かなづかいへと、朱筆で訂正がされているのです。『ゐ』が『い』だったりするように。

今でも、丸谷才一さんの文章が新聞では現代かなづかいになったりしているように、それ自身は珍しくはないのですが、じかに見ると、それはそれで、不思議に見えます。