鉄分の話ではないですが

『すばる』7月号の話の続きです。
小野正嗣さんが、岡真理さんにインタビューしています。その中で、文学は『役に立ってはいけない』という考え方が出ています。

岡さんの、『アラブ、祈りとしての文学』(みすず書房、2008年)は、書棚においてあるのですが、まだ全体をみていません。けれども、岡さんが書いて、ある大学の小論文入試に使われた文章を読む機会があって、それで注目はしていました。それは、サルトルの有名な『問いかけ』に対して、飢えに苦しむ人びとこそが文学を必要とするのだという内容でした。文学が何かの『役に立つ』ということは、逆にいえば、『役に立つ』文学と、『役に立たない』文学とに分けてしまうことにつながります。それは当然、『役に立たない』ものを排除することになるのかもしれません。
そこは、いつも注意深くあってしかるべきことだと思います。