差をつける

『生活の中の植民地主義』(人文書院、2004年)です。
京都大学人文科学研究所の2002年の夏期公開講座をもとにしたものだそうですが、岩波新書で『創氏改名』を書いた、水野直樹さんが中心になっています。
その水野さんの論考では、植民地朝鮮では、最初はひとびとに日本式の姓名にすることも容認していたのだそうですが、日本名にしていた朝鮮人官吏に、日本人基準で出張旅費を支給してしまって、問題になり、やはり朝鮮人にはそれらしい名前にしておかないといけないということになったのだそうです。
分断して支配するというのは、支配する側にとっては当然のことでしょうが、そうしなければ支配できないというところに、もともと無理があったのでしょう。