シンプルに

三浦光則さんの『小林多喜二宮本百合子』(民主文学館、発売は光陽出版社)です。
タイトルもきわめてシンプルですが、内容も、なにやら西洋じこみのカタカナ語を使うでもなく、また先人の至らないところを声高にののしるでもなく、すなおに対象に向き合おうとしてしている著者の姿勢がうかがえます。
本の中には、多喜二や百合子だけでなく、窪田精さんのトラック島体験を書いた作品への評価があったり、野上弥生子の亡くなったときに、『民主文学』誌によせた、追悼的な論考もあり、内容は充実しています。
佐藤三郎さんも著者の写真入りで紹介しています。これは北京で撮ったものでしょうか。佐藤さんが撮ったものならいいのですが。著作権は大丈夫かと、いらぬ心配もしてしまいます。