走りながら

アメリカの黒人演説集』(荒このみ編訳、岩波文庫、2008年)です。
オバマさんが大統領に選出される前に企画された本ですが、〈イリノイ州選出のオバマ上院議員〉の演説も収録されています。
19世紀の奴隷制度が生きていた時代のは、奴隷からの解放を、その後は、権利の拡大や社会的な公正を求めてきた、さまざまな運動の担い手の人たちの演説が収録されています。
アメリカ合州国という、複雑な組み立ての国と、わたしたちはつきあわなくてはいけません。いくら、アメリカの地位が低下しつつあるとはいえ、世界をアメリカ抜きで語ることはできません。そういうことも、考えさせてくれるものです。
オバマさんが、カレッジの卒業生に対して、〈歴史上の自分の位置はどこにあるのか〉を自問するように呼びかけているのですが、そういう姿勢が、かれを大統領へと押し上げる要因のひとつなのかもしれません。