残ること

岩井忠熊さんの『「靖国」と日本の戦争』(新日本出版社)です。
岩井さんは、戦時中海軍に徴兵され、輸送船で移動中に潜水艦の攻撃を受け、なんとか助かったという経験をお持ちの方です。そういう経験から、日本の戦争について考えています。
この前、福田和也さんの石原莞爾についての本にふれましたが、福田さんのいう「義」の実態は、ちっとも「義」ではなかったことがわかります。その点では、安易な戦前肯定論に対しての、経験的な批判になっているのでしょう。
戦争の時代のなかでも、人々は生きていたわけですから、その中に楽しいことも、苦しいこともあったにちがいないでしょう。そこを、一面的にとらえては、足もとをすくわれることになるのかもしれません。

この前、イスラエルについて放言をしましたが、地元の人たちにしてみれば、いきなり新しい人々があらわれて、土地を奪っていったわけですから、その点においては、イスラエルと似ている面があるということです。少し言葉足らずだったら、失礼しました。