こういう時代だからこそ

この前、神奈川の文学館で行われていた堀田善衛の展覧会にいってきました。堀田さんの作品は、『路上の人』(新潮社、1985年)あたりまではほぼリアルタイムで追いかけていたのですが、『ミシェル 城館の人』あたりからあまりふかいりしなくなってしまっていたので、久しぶりにいろいろと、思い出してしまいました。たしか、これも新潮社ですが、『定家明月記私抄』がでたときに、読者カードをおくったら、そのあと、「堀田善衛先生とゆくスペイン×日間」とかいう海外旅行の案内書が届いたりしたことまで、思い出してしまいました。

定家といえば、「紅旗征戎吾事に非ず」が有名ですが、それを言い切る強さは見落とすことはできません。展覧会では、宮崎吾朗さんが、堀田作品の、『方丈記私記』と、『定家明月記私抄』とを題材にして、「長明と定家」という企画中のアニメの素材絵を出していて、乱世の中で生きることを作品にしようとしていました。時代の中で、自分のやるべきことをきちんと見すえることは大切なのだと思います。