伝統

どこの新聞で読んだのかはっきりしないのですが、神奈川県大磯町で毎年1月14日の夜から翌朝にかけておこなわれていた左義長の行事が、今度から土曜日に変更になるということだそうです。
以前は、1月15日が「成人の日」ということで、祝日として固定されていたので、勤め人でも行事に参加できたし、子どもたちも翌日の学校を心配しなくてもよかったのですが、何年か前から、成人の日が月曜日にされてしまったので、1月14日は「休みの前の日」ではなくなってしまったのです。それでも、なんとか行事を続けてきたのだそうですが、とうとう日程を曜日優先の形にせざるを得なくなったというのだそうです。
1月15日は、新暦になっても「小正月」ということで、全国どこでも、何かしらの行事がおこなわれてきた日です。それを、あっさりと祝日からはずした政府与党は、口先では「愛国心」だの「伝統文化」だといいながら、実際にはそういうものを守る意識はないということが、この祝日変更の一件からもわかります。
最近、辻井喬さんが、いろいろな場で「伝統」の重要さを語っていますが、ほんとうの伝統は、こうした身近な行事のところにあるのでしょう。
私の家のお墓のあるお寺も、先代の住職のときには、毎年1月15日に檀家を集めて護摩焚きなどしていたのですが、やはり人が集まらなくなって、今の住職になってから、成人の日にしたり、その前後の土曜や日曜に変更しています。そのため、直前にならないと、日程が確定しないので、予定がなかなかたてられなくて、実は困っています。
なんとかしたいものですね。