戸籍

しんぶん赤旗』に連載されていた、北原耕也さんの「さすらいびとのフーガ」が完結しました。現代のホームレスの実態にきりこんだ作品です。
ところで、これはご存知の方にまじめにお聞きしたいのですが、作中に林文泰くんという青年が登場します。彼は親を早くなくして、養護施設で育っていたのですが、高校卒業直前に出奔して出自探しの漂泊をはじめます。その手始めに、父親の戸籍をみに、本籍地の大阪に向かうということになっています。
実は、林くんの祖父は朝鮮人で、「創氏改名(1940年2月から実施)」のときにみょうじを「林(はやし)」にして、戦後日本国籍を取得したという設定になっています。そのことを文泰くんは、作品の最後まで知らないことになっています。
父親の戸籍をみておいて、そうしたことがありえるのかということです。もちろん、祖父の日本国籍取得(当然サンフランシスコ条約発効のあととなりますから、早くても1952年4月28日です)より後に、父親が生まれていたら、父親が筆頭者になる戸籍には、そうした事項は記載されないのかもしれません。相続などで戸籍を見るときには、2代前を見るというのが通例(そうしないと、親のきょうだいの実態がわかりません)ですが、未成年の文泰くんがそんなことを知らないのは当然なのですけれど。どなたか教えてください。

創氏改名」といえば、自民党の新総裁の人は、これをめぐる発言で物議をかもした人でしたね。