置き換え

今年は源氏物語1000年とかいうので、『新潮』10月号では、源氏物語の特集をしています。
そのなかで、何人かの作家に、今風に源氏をアレンジしてもらうという企画があって、その中の「葵」の巻を金原ひとみさんがやっています。
この組み合わせ自身が゛一瞬なんだろうとも思ったのですが、光くんと葵さんのご夫婦に子どもが生まれるという、21世紀の現代の話に置き換えて、妊娠中の女性の心理を描いた作品に仕上げています。
たしか『オートフィクション』のときには、あまりいい評価はしなかったように思いますが、今回の作品は、わりとよくできていると思います。同じときに芥川賞をとった綿矢りささんのこの前の作品はあまりできがよくなかったのですが、それに対して、今回の金原さんは、腕が上がったような感じもします。