ずれ

ちょっとメモです。
リービ英雄さんの『仮の水』(講談社)のなかの表題作、「仮の水」で、主人公が西域のまちに行き、現地のガイドから運転手を手配してもらいます。そのときガイドは日本語で、運転手を「キョーさん」と紹介します。その運転手のひとは、中国語で自分の姓を「ゴン」と名乗ります。そのとき、主人公の脳裏にうかぶ彼の姓なのですが、初出誌ではたしか「共」となっていたと思います。姓なら「龔」のほうがふさわしいのではないかと感じた記憶があります。
ところが、単行本では主人公が考えたのが「孔」になっています。中国語のおとでは「ゴン」といってよいのでしょうが、日本語では「コー」になります。
この変更は何なのか、少し気になります。