勇気をもらう

小林雅之さんの『上を向いて歩こう』(本の泉社)です。
小林さんは労働組合の専従をされている方で、非正規の公務労働者の運動にたずさわっています。その機関紙に書いたエッセイを集めた本です。
非正規労働者の増加が、今日の状況として語られてひさしいわけですが、その中で起きているたたかいの実相や、たたかっている労働者たちのいろいろな発見をとおして、これからの労働運動の進み方も考えさせてくれます。
実は、小林さんが、この本の中に書かれたある給食職場でおきた事件をヒントにして、別のペンネームを使って書いた小説が、『民主文学』の「支部誌・同人誌推薦作」特集に入選したことがあるのです。その中でも、当事者の労働者の複雑な事情を、小説の形でうまくまとめていましたが、その原形が、この本の中に登場するさまざまな労働者とのかかわりの中で生まれてきたのだと感じさせられます。