当てはめ

井上章一さんの『阪神タイガースの正体』(ちくま文庫、親本は2001年)です。
井上さんは、『つくられた桂離宮神話』など、もともとは建築関係の分野が本職なのですが、『愛の空間』だの、『パンツが見える』だの、社会風俗的な方面への研究もされています。そういう点から、阪神タイガースの歴史と関西における位置を考察しているのですが、1970年代あたりからの、自虐的な阪神像のひとつとして、タイガースを社会党になぞらえるというものが紹介されています。
井上さんは、その初出をつきとめてはいませんが、わたしの記憶では、1977年に、野末陳平さんが、『週刊ベースボール』に連載コラムをもっていて、その中で書いていたはずです。巨人が自民党、中日が公明党、広島が共産党、大洋が民社党、ヤクルトが新自由クラブでした。
そういうこともありました。当時野末さんは現職の参議院議員だったはずで、その関係で、選挙がらみの話題だったような感じはしています。(ある意味、そういう人がコラムを持つのは、どうだったのでしょう。『週刊ベースボール』は、未成年者の読者も多いでしょうから、必ずしも選挙目当てとは言い切れませんが)