ほったらかし

日曜夜のNHKで、中国の現状が放映されていました。
上海の学生が、地方に教師として出向いていくというプロジェクトがあるようで、いわゆる「お嬢様」として育った女子学生が、寧夏回族自治区へでかけ、そこの学校で英語を教えるというのです。
今の中国の、格差の実態が、映像で語られるわけで、出発前夜の、上海での家族との夕食のシーンでは、多くの種類の料理が並び、家では熱帯魚も飼っていて、優雅な生活がしのばれます。
ところが、彼女が赴任する学校は、周辺は農村地帯で、食べるものも、穀物の粉を練って焼いた、パンのようなものを一週間かけてたべるような地域なのです。それでも、電気は通じていて、コンピュータも使えはするという、そうした実態はあるのです。
そこで、女子学生は、農村の現実にぶつかります。それは、戦前の日本にもあったような話で、ある家では、父は亡くなり、母はケガをしてはたらけないので、姉の大学進学のために弟が働きに出るのです。
問題なのは、弟が、農村では働き口がないので、都会に出稼ぎに出ようとするところで、村では、何台もバスを仕立て、まるで彼らが「金の卵」であるかのように、村から送り出すのです。それだけなら、「三丁目の夕日」の映画みたいだといってすむのかもしれませんが、町へでた弟には、固定した就職先があったわけではないのです。彼は、銀川のまちで、仕事を得るために街頭で手配師がやってくるのを待つのです。結局、彼は仕事を得られずに村にもどり、炭鉱に働きにいくことを決意するというのです。
送り出しておいて、きちんとした就職先を世話しないというやりかたが存在するというのは残念なことです。もう少し、スムーズに行くやり方は模索できないものでしょか。