探索

渡部潤一さんの『新しい太陽系』(新潮新書、2007年)です。
渡部さんは、この前の、惑星の定義を決めた天文学の学会で、その原案を策定した委員の一人だったそうです。アジア地域からは渡部さんが代表格となって出席したのだそうです。最近は、テレビでも天文関係の番組でよく顔をお見かけする方でもあります。
そういうことで、惑星の定義が明確になってからはじめて、現在の太陽系の全体像を平易に解説しようとしたものです。
カラー写真も多くて、天王星が横倒しになっているところなど、カラー写真ならではの迫力があります。
科学の最新の状況は、なるべく早く知っておいたほうがいいのですが、こうした、直接生活に役に立たないように思えることを探索していくのが、人間の人間たるゆえんでもあるのでしょう。そうしたものを、効率の名のもとに後景においやるような時代はいやですね。だいいち、アポロ計画をやめてアメリカがどこに予算をつぎこんだかをみれば、ことは明白でしょう。