仲間はずれ

梅田正己さんの『「北朝鮮の脅威」と集団的自衛権』(高文研)です。
安倍内閣のときに設置されたいわゆる「有識者懇談会」が、集団的自衛権の見直しと称して、憲法を改正しないとできないことをやろうとたくらんでいることを、現在の法体系のなかから実証しています。いろいろと批判や議論はあっても、現在の自衛隊が、海外で武力行使ができない、戦闘地域では行動できない、という状態になっているのを、変えさせたいというのが、安倍晋三のまわりのひとたちのねらいでもあったわけです。
そのために、たとえば北朝鮮の核実験のときも、アメリカ・中国・ロシア・韓国はそれぞれ事態打開のためにいろいろと交渉したりしているのに、日本にだけは声がかからない、という現状のもとでも、それを意に介せず、米軍と一緒に戦争することを願っていたのです。
安倍さんは退陣しましたが、そうした「外交の不在」を気にしない人たちは、まだまだ国会のなかにもいそうです。そういう人を、きちんと見抜かないといけないのでしょうね。