よく見ていこう

藤田和恵さんの『民営化という名の労働破壊』(大月書店)です。
今年は、さまざまなところで、「格差社会」が語られたのではないかと思います。「格差」の拡大が、単なる一部の人たちが警鐘を鳴らしているのではなく、社会全体の認識として広がったのではないかという感じもあります。それが2005年の総選挙のときにあらわれていたならば、もう少しちがった結果が出たのかもしれませんが、それは来年の地方選挙や参議院選挙にあらわれるのかもしれません。
藤田さんの本は、郵政の現場を追ったルポです。郵政公社やその下請け企業(配送業務など)の労働の実態を追及しています。
最大の組合JPU(昔の全逓です)が、いまや当局べったりになっていることも明らかにされています。組織実態として、郵産労が少数派なのはしかたのないことなので、ルポがそこに届かないのはいたしかたありません。
今年最後の記事で、こうしたつらい現実に向き合わなければならないことを、あらためてこちらも認識しなければならないのでしょう。それが2006年なのだと。

今年、ここを訪問してくださったすべての方にお礼を申し上げます。来年もよろしく。