働きながら

山形暁子さんのエッセイ集、『愛と平和と文学に生きる』(本の泉社)が出ました。
山形さんは、大手都市銀行に高校を出て就職し、そこで長く働き続けながら、女性の権利拡大のために銀行のなかでたたかい、そうした中で、小説を書き始め、いままでに『トラブル』『家族の小径』『山形暁子短篇小説選(全2冊)』などの小説を刊行してきています。
今度の本は、いろいろな新聞・雑誌に発表したエッセイなどを集めたものです。作品をうみだす書き手のそのときどきの関心のありようがうかがえます。すでに銀行を退職した山形さんなので、どちらかというと地域でのさまざまな活動に根ざした文章が多いようです。
山形さん自身の経歴は、いろいろな形で小説に反映されているので、そういうことに関心を持っていただくには小説を読んでもらったほうがいいのかと思いますが、こうした短文からも、著者の、社会の進歩のための情熱は感じられます。