女性は謎か?

内輪の読書会、カナダの女性作家、アリス・マンローの『イラクサ』(新潮社)でした。
表題作は、離婚した主人公の女性が、友だちのところで、子どもの頃一緒に遊んだ男性と再会する話です。彼女は、彼と何か起きるかもしれないと、彼と過ごした子どもの日々を思いながら期待するのですが、彼には自分の子どもを事故でなくしたという過去があることを知って、引き下がるのです。
これ以外にも、女性の闇ともいうべき、微妙な心理を探った作品が多いのですが、そうした点で、読者からの好き嫌いの激しい作家ではないかという感じが、参加した人の中からも出ました。
いろいろと人生経験を経てきたという作者の経歴もあるのでしょうが、共感できる部分と、何かちがうと思う部分とがあって、そこには女性の感覚があったのかもしれません。
でも、妻がわずかの時間に〈不倫〉をしたとわかったら、夫の立場はどうなるのだろうと、そうした感覚はありますが。