情報のかたより

新藤通弘さんの『革命のベネズエラ紀行』(新日本出版社)です。
最近こそ、チャベスさんの演説集『ベネズエラ革命』(現代書館発売)があったりして、ベネズエラのことが少しは知られるようになりましたが、昔は阪急ブレーブスにいたマルカーノ選手の出身国だくらいのことしか知らなかったもので、この国の現在がよくわかるものです。
1970年代後半からの〈ラテンアメリカ文学ブーム〉のころも、隣国のコロンビアのガルシア=マルケスは紹介されても、ベネズエラの文学にはまったくとっかかりがないような感じがします。ノーベル賞も、アストゥリアスグアテマラだし、ネルーダはチリだし、ナイポール英語圏だし、という具合だし、キューバカルペンティエールはあっても、ほかはなかなか出てこない。
そういう意味では、翻訳を通す限り、どうしても情報の偏りは出てきます。その中で、大事なものを取り逃がさないだけの、注意が必要なのでしょう。

新日本出版社の『世界短編名作選 ラテンアメリカ編』(1978年)をみていたら、ロムロ・ガリェーゴスという人の作品が、ベネズエラからひとつ取り上げられていました。