通史のつよみ

鹿野政直さんの『岩波新書の歴史』(岩波新書)です。
岩波新書が、現在の新赤版にして1000点をこえたので、新たに今の視点から、過去の歴史をふりかえろうとして企画したものです。
今までにも、この手の本は何回か出ていたのですが、今回は著者名を明らかにして、一人の著者で、一人の史観でふりかえるという方式をとりました。
そのために、筋が通ったものができたようです。鹿野さんには、岩波文庫の別冊として、『近代日本思想案内』というなかなかコンパクトな概説書があるのですが、それとあわせて読むと、明治以降の日本の思想状況が見えてくるような感じがします。
それと、ここにあげられた書目は、読んだものも、タイトルのみ見ていたものもありますが、それぞれにまつわる記憶もよみがえってきて、それはそれでおもしろいものでした。