識別

デレク・ジーター選手の功績をたたえて、ニューヨーク・ヤンキースは背番号2を永久欠番にしたそうです。ヤンキースの1けた番号はすべて永久欠番ということになるそうです。
さて、こちらでは、松本幸四郎さんが松本白鸚に、市川染五郎さんが松本幸四郎に、お孫さんが新しく染五郎を襲名するということです。
こういうところにも、アメリカと日本との違いがあらわれるように見えます。もちろん、むこうにも、カート・ヴォネガット・ジュニアのように、親の名前をそのままもらうかたもいらっしゃいますから、まるっきり襲名にあたるものがないということでもないのでしょうが、役者や力士のように、何代目なにがし、という言い方をするかどうかということは、意外と深い問題なのかもしれません。
だから、そこをあやふやにすると、いろいろなミスを呼ぶことにもなります。『民主文学』1月号の鶴岡征雄さんの作品で、1956年を舞台にしたものですが、中学の同級生が〈伊勢ヶ濱部屋〉に入門すると書いていますが、この時期、照国が親方になっている部屋は〈荒磯部屋〉と名乗っていたのです。照国が引退して先代から部屋を引き継いだとき、先代が停年になるまで自分の年寄名跡の『荒磯』を名乗ったまま部屋を経営していたのです。うっかりしやすいことですね。