バランス

原武史さんの『直訴と王権』(朝日新聞社、1996年)です。
18世紀からの朝鮮王朝を軸にして、当時の王権と民衆とのかかわりをさぐっています。王の力の強かった時期と、両班層の力の強かった時期との入れ替わりが、朝鮮王朝の歴史を左右したのだということになるようです。
実際、19世紀後半からの、列強の干渉に抵抗していく時代では、誰がどこをよりどころにしていくのかが、問題になった時代であるわけで、そこを舵をとりきれないままに、日本の侵略を招いてしまったということもあるわけです。別の道もあったのかもしれません。