とにかく動く

木下武男さんの『若者の逆襲』(旬報社、2012年)です。
最新の労働運動への提言というところで、ジョブ型雇用を中心とするシステムへの改革をすすめようというのが著者の主張というところでしょう。
以前の本では、日本型の企業別組合の歴史の全否定的なところもあったように見えたのですが、今回の本では、そうした歴史的な経過はおいておいて、今の雇用をめぐる状況から、企業別組合ではダメな場合もあるというところに力点をおいているようです。
ただ、今までの日本の正社員雇用が、まるで全人格的な支配であったことへの批判は重要なのですが、そこから職種契約的なジョブ型雇用に転換するには、単純にはいかないものがあるとは思います。ひとつまちがえると、『限定正社員』と同じではないかという中傷も出てくるかもしれません。そうした絡めとりにあわないような、労働運動が求められているのでしょう。