魔力

佐々木高明さんが亡くなられたとか。
『稲作以前』(NHKブックス)にみられるように、稲以外の穀物が、日本列島において重要さをもっていたことを論じた方として印象に残っています。
江戸幕府が石高制をとったように、コメの力は、あっというまに日本列島を覆ってしまったわけで、明治期に森鴎外米食がカロリーベースで決して欧米の食生活に劣らないことを力説したように、近代までつづいています。
そういう中で、非イネの穀物を考えることは、なかなかむずかしかったにちがいありません。けれども、そうした多面的な要素をみることが、列島の文化を考えることでもあるのでしょう。少し前の学習指導要領が、小学校の日本の歴史を弥生時代からはじめようとしたように、多面性をおしつぶすちからは、決して過小評価はできないのですから。
同じように、『もののけ姫』の最初の場面の、アシタカの村で植えられていた植物が何だったのかが、気になってしかたがないのです。どなたかご教示を。