固定化

鈴木翔さんの『教室内(スクール)カースト』(光文社新書)です。
学校のこどもたちの集団に生じている〈上下関係〉に関して、1984年生まれの著者が、生徒や教師にインタビューをしながら、その内容を分析しました。もともとは修士論文だったものを、増補したようです。
教師へのインタビューでは、そうした上下関係を教師も認識し、それを学級支配の道具として利用しようとする姿勢が語られます。インタビューを受けた教師が、いずれも20歳代だということなので、きっと、可能なものはなんでも利用しようという考え方が、若い先生方の間には広がっているのかもしれません。
それでいいのか、という問いかけもあるのでしょうが、〈学級崩壊〉のレッテルをはられてしまうよりは、まだましだと考えている(無意識にでも)ということも考えられます。自己の立場を守るという点では、こどもたちも、先生たちも、同じなのかもしれません。