ひとすじ

玉造修さんの詩集『高校教師』(コールサック社)です。
作者は、長く茨城県の県立高校で化学を教えています。定年を迎えたのだそうですが、再雇用でいまも教壇にたたれているとか。
文学に志したのは、そんなに昔のことではないようですが、詩集には、赴任したばかりのころを題材にしたものもあり、作者にとって、「教師」であることの意味は重いようです。
それと、高校の先輩であったひとが冤罪事件にまきこまれたことも、作者にとって生き方を決めてゆくときのひとつの筋道になっているようです。
今の時期、定年だからといって、引退するには及びません。作者のこれからの文学的なみのりを期待したいものです。