対象の認識

多田茂治さんの『松本英一郎 愛と怖れの風景画』(弦書房)です。
福岡県久留米市出身の画家の伝記です。松本(1932-2001)は人物画よりも風景画を好んで描いたようで、表紙カバーにも、かれの代表作の〈退屈な風景〉が採られています。この風景、具象とも抽象ともとれそうなもので、垂直の線をほとんどといっていいほど使用せずに風景をとらえます。実際にカンバスについてみるとどうなるかはよくわかりませんが、少なくとも図版からは、けっこう〈ほのぼの〉感を味わうことができます。素人の感想ではありますが。