またひとつ

うちの檀家寺は臨済宗なので、毎年2回、正月と盆の檀家の集まりの案内に、『法光』という小冊子が一緒に送られてきます。発行所は〈臨済会〉という団体で、東京のお寺のなかに事務局があるようです。
その、今回送られてきた正月号に、芥川賞作家の玄侑宗久さんが、〈福聚寺住職〉としてエッセイを寄せています。数え年という発想は家族全員が一緒に年をとるという思考から生まれているので、そうした絆を大切にしようという趣旨の文章です。
お寺のほうから、そうした発言がされることは、もちろん現代の家族のありかたがゆらいでいるという認識があるからでしょう。それをふまえて、どのように絆を回復していくのか、そこに社会のありかたを視野にいれてゆく必要があるでしょう。大雪で孤立した集落というニュースをみると、そうしたことも考えずにはいられません。