100年

自分がかかわっている書籍には触れないというのが、ここでの原則のつもりなのですが、少し破ります。
『講座プロレタリア文学』(光陽出版社)が、けっこう好評だと聞いています。平出修の「逆徒」を祖父江昭二さん、伊藤野枝の「転機」を久野通広さんというように、多喜二・百合子研究会の講座をもとに文章化した本なのですが、こうして、100年前の大逆事件からふりかえるという構成も、きっと関係しているにちがいないでしょう。『民主文学』でも、大逆事件100年を特集していましたし、この100年の日本を考えるうえで、やはり避けては通れないできごとなのでしょう。
ある意味、『明治100年』を具現化したような「坂の上の雲」に対して、そうではない100年というものも、いま改めて考える必要があると思います。
今度、首相になる人が、先祖に〈有名人〉をもつのかどうかということも、ひとつカギかもしれません。