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1Q84』Book3のネタバレがありますので。
ご注意ください。











ある意味、3冊目がでるということで、予想はされていたのですが、青豆さんは死にません。死ぬのは天吾くんのお父さんなのです。

それはそれとして、青豆さんはいろいろと曲折の果てに天吾くんと再会し、首都高の非常階段を地上からのぼるという形で、月がひとつの世界にたどりつくのです。つまり、月が二つある世界は、天吾くんの小説の世界で、25年後に天吾くんが、そのことを小説にしたと考えてもよさそうです。
そうなると、前にあるところで、〈この世界には大相撲もプロ野球も存在していないみたいだ〉という趣旨のことを言った記憶があるのですが、たしかに、月が二つある世界には、そうしたものは存在しなくてもいいのだと思います。それだけに、今回のなかで、レーガン・中曽根と、月が一つの世界での日米両首脳の名前がでてくるところが、かえって非現実的にみえてしまいます。月が二つの世界は、徹底してそうした時事的な現実性を排除すべきではなかったかと思います。