お世話になる

『ロスジェネ』第2号(かもがわ出版、2008年)から少し。
フランスの方が、日本のいわゆる「おたく」(このことばをカタカナで書きたくはないので)文化の底に流れる反抗精神について書いています。
最近、コンテンツとやらで、政府が産業としてマンガ系のものを使おうとしていることへの、世界的な反撃になるということでしょうか。
ずっと昔、当時の大日本帝国の政府が、文学の人たちを集めて、国が援助するから「よい作品」を書いてくれという要請をしようとしたら、徳田秋声が、日本の文学者はおかみの世話になったことはないと言い切ったので、政府の人は興をそがれて、その話は沙汰やみになったということを聞いたことがあります。
そういう気概を、マンガ系の人たちにもこれからも持ちつづけてほしいものだと思います。実際に受け止める、外国の人たちが、なによりそれを望んでいるのでしょう。

同じ雑誌の、立花沙世さんという方の、「遠い異国の鳥たち」という作品は、作者の感性は買えます。「小説」にするためには、もう少し、場面のとぎすましが必要だとは思いますが。