必要度

本の話では直接ありませんが、自衛艦の衝突事故です。
「ミサイル迎撃」のためのフネが、足元の漁船を見失うということは、ほんらいこういうフネが必要なのかということになるのではないでしょうか。
「ミサイルがとんでくる」という人がいますが、今、日本はいわゆる6カ国協議に参加しているわけです。外交交渉を正規のルートでやっているときに、その対象国に対して攻撃をしかけるということは、まともな状態なら考えられません。
たしかに、実例がなくもない。1941年の大日本帝国は、日米交渉を打ち切ってアメリカの軍事基地に攻撃をかけました。「ミサイルがとんでくる」論者が、そういうことを念頭においているなら、このときの大日本帝国が、「東亜新秩序」だの「大東亜共栄圏」だのという主張をしていたように、「ミサイルをとばす」国も、そうした論理をもっているのだということを認めていることになるのでしょう。「大義」は、「しかける」側にあるのだから、それに対して備えなければならない、だから、「ミサイル迎撃」のフネも必要だという論理展開になっていきます。
わが国の「防衛」とは何かを、しっかりとみていかなければいけないのですね。