山登り

ごぶさたしていました。

即位にあたって放映された映像のなかに、山に登っていらっしゃるものがありましたが、それを見て、窪田精の作品、「霧の南アルプス」(『民主文学』1988年1月号掲載、のち同題の単行本(新日本出版社、1994年)に収録)を思い出しました。作者と同年の主人公が、20歳で入営直前に北岳で亡くなった同級生の慰霊碑をたずねて登山する途中に、当時まだ昭和天皇在位時で、皇太子にもなる以前の現天皇の一行に出くわすというストーリーです。現天皇が20代後半のころですね。主人公は1921年生まれで、徴兵検査で合格して現役兵として入営するのは1941年の年末から1942年にかけてのことです。その同級生はそのときに山で遭難したわけです。