かけ橋

メモですが。
小川洋子さんの『科学の扉をノックする』(集英社)です。
書き下ろしなのか、どこかの雑誌に掲載したものかがよくわからないのが残念ですが、著者が現代科学の最先端の研究者のひとたちのところを訪問して、そこでの見聞をまとめたものです。
惑星の定義を決めた委員会で活躍した渡部潤一さんは有名ですが、ほかにも粘菌研究のかたとか、そうしたいろいろな分野に関して、小川さん自身が素人ということもあって、その眼からの観察がおもしろいものです。
こうした科学と素人との結びつきがまだまだ足りないのでしょうか。〈相対性理論は誤り〉などのトンデモ本がでたり、〈永久機関が可能だ〉という主張があったりなど、素人の目をくらます意見がでてくるのも、そうした努力のまだ至らぬ点なのでしょう。