結末

二葉亭全集から。「くち葉集」と名づけられた雑記帳です。「浮雲」の構想メモがはいっていることで有名でもあり、この全集でも、そこだけカラー写真で復刻されています。(もちろん、活字での翻刻もあります)
現在の「浮雲」のあと、文三がますます居場所をなくしていくありさまを、作者は考えていたようです。そこまで書き残していたら、また印象がちがったものになったかもしれません。昇がお勢をもてあそんで、結局は課長の妹と家婚するという流れも、ありうべき終わりではあるでしょう。でも、それはそれで、ありきたりという評価を受けてしまったかもしれません。中途で終わるのも、味があるということでしょうか。