つながる重さ

林屋辰三郎『町衆』(中公文庫、1990年、親本は1964年)です。
著者には岩波新書に『京都』という著書があり、そこでは上古から近代までの京都のあゆみを述べているのですが、この本では、中世から近世初期までの、〈平安京〉ではなく、〈京都〉になっていくすがたを追いかけます。町衆と呼ばれる人びとが、町を有機的な存在として固めてゆく過程でもあるのです。
今でも、五山送り火を運営する力を持っているわけで、100万都市でありながらもそうした伝統的な行事を実施できる力は、京都の底力なのでしょう。かつての蜷川府政を続けられたのも、そこと通底するものがあるのでしょうか。